製品紹介

成形適正化技術(医療用・食品用素材)

成形適正化技術

飲料や食品の容器に適した耐水性、加工のしやすさ、そして印刷の美しさを求めて。

食品成形容器

食品成形容器

酒パックやジュースなどの飲料に用いられる容器は、最終的にはラミネート加工やアルミ加工され複合材料として利用されるため、内容物が直接紙に触れることはありません。しかしそれでも 紙自体に高い耐水性を持たせることで、より確実な防水機能を確保することができます。
耐水性を確保するためには、パルプにサイズ剤を加え、水が沁みこみにくくしています。

紙容器の原紙に求められる特性は耐水性だけではありません。もうひとつ重要な品質に加工適性、つまりパックにするときの加工のしやすさがあります。そのため、たとえば曲げたときに紙が割れないように広葉樹のパルプと針葉樹のパルプのバランスを変え、紙の強度を調整します。

東海工場/芝川製造所/研究技術部 渡辺 康洋

針葉樹のパルプは繊維が長い分強度がありますので、針葉樹のパルプが多いほど強度は高くなるわけです。原紙の密度については印刷適性に大きく影響するため、品質設計に盛り込んでいます。お客様によってはクッション性が高い方がきれいな印刷ができるとおっしゃる方もいらっしゃいますので、私たちはそうしたご要望に、抄紙薬品の調整やカレンダー工程の調整でお応えしています。

広葉側

広葉側

組み合わせ

針葉側

針葉側

光顕写真(C 染色液)
倍率:×40

 

ヨーグルトカップ用に開発された耐酸紙

普通の紙は酸性で抄紙されるのですが、容器の中でもヨーグルトカップの場合は、ヨーグルトが酸性ですので、酸性に耐えられる紙が求められます。そこでヨーグルトカップ用には中性に適したサイズ剤を使い、中性の領域で抄紙しています。こうしたサイズ剤は定着させるのが難しく、安定した定着技術が必要になります。

またヨーグルト容器ではこれまで以上に美粧性が求められており、平滑性を高めるためにパルプの原材料だけでなく、オンマシンでのコーティングや表面へ塗工する顔料の量の調整など、細かなところまで気を配り、高い要求に応えお客様にご満足をいただいております。

衛生管理

富士山の雪解け水で抄造

王子エフテックスの東海工場・芝川製造所は静岡県の富士宮市にあり、富士山の雪解け水が地下を通り流れ出る清らかな水を紙の抄造に使用しています。

このような恵まれた環境で異物混入の少ない衛生的な製品が造られています。

芝川製造所内の汲み上げ施設

芝川製造所内の汲み上げ施設

先進の検出機器を導入し、異物の混入を徹底的に防止。

先進の検出機器を導入し、異物の混入を徹底的に防止。

王子エフテックスではさまざまな製品を生産していますが、食品業界向けの製品も多くあります。ハンバーガーなどの包装に使われる耐油紙、クッキングシートや蒸しパンなどの台紙に使用されるグラシン紙、マーガリンの包装やケーキカップ用のパーチメント紙、そしてお酒やジュースなどの容器に使用される液体容器 原紙、ヨーグルトやアイスクリームなどに使用される紙容器原紙、お菓子の包装に用いられる食品用ポリプロピレンフィルムなど、たくさんの製品が食品用途に提供されています。これらの製品はお客様のニーズに応じた機能を発揮させることはもちろんですが、食品用途の製品だけに、とくに安全管理が重要になります。

そのため各種の法規制や業界の自主基準に対する適合性の順守はもちろんですが、王子グループの「製品安全憲章」に示されている方針に基づき、より厳しい基準を設定して安全性の維持管理に努めています。具体的な体制は、異物混入防止対策として、カメラをカラー化した先進の高性能な異物検出器を導入して着色欠点を確実に検出できるようにし、より細かな異物の除去に取り組んでいます。さらに各種の分析機器によって異物成分の分析を行っています。

埃や虫の防止対策については、工場内と前室で空気圧の差を作り、抄紙設備から外部方向へ風が流れるようにしています。これによって埃や飛来する虫を防ぐことができます。もちろん入室者は全員ヘアネット・ヘルメットを着用し、前室ではエアーシャワー・粘着ロール・吸塵器・粘着マットで衣服に付着している異物を除去します。

安全管理意識の向上で、クリーンな環境を維持。

異物の防止のためのクリーンな環境を維持するために、ファイバースコープなどによって工程内を点検し、異物の発生・混入箇所を発見したらその場所の清掃方法の見直しや設備対応を実施しています。さらに現場オペレーターによるVM(ビジュアルマネージメント)活動を通じての「工程の見える化運動」では、工程の重要管理ポイントや留意点を記載した清掃点検表を活用して、各自の責任範囲を明確にするとともに、管理状態を見える化し、現場オペレーターの管理レベルと管理意識の向上を図っています。食品用途の製品について、これからも原材料から出荷まで製品安全性管理システムを厳格に運用し、より使いやすく、より安全な製品作りを通じて、食の安心・安全に貢献していきたいと思っています。

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